そのトレーニングは本当に目標達成に向かっているか?
No.25
「そのトレーニングは本当に目標達成に向かっているか?」
最近ウェイトトレーニングに本格的に取り組んでいた。
理由はたるんできた身体をハリのある身体に戻したいからだった。
正直、武術身体操作的な観点から述べると必要ないことは分かっていた。
体重増加、打たれ強さの向上以外に実感できることはなかった。
競技選手の頃もトレーニングをしていたが、それでパフォーマンスの向上という実感があったかというと、よくわからないのが正直な感想だった。
一番のトレーニングは競技そのものの中にある。
一般的に、試合や実戦を分解していったものが練習体系になっているはずだ。
試合や実戦を分解した練習は、動きや場面を切り取って構成することから、練習の成果をあまり外すことがない。
一方、ストレッチや筋力トレーニングなどはどうだろうか?
「足を高く上げないといけないから」
「もっと筋力をアップしないといけないから」
そういった目標を達成するためにトレーニングメニューを構成しているだろう。
だが、その動きは競技の動作とは似ても似つかない。
筋肉をいかに効率良く鍛えるかということに特化しており、その競技用のトレーニングではないからだ。
ウェイトトレーニングではいかに筋肉に「効かせる」(つまり疲れる)ということが重要だが、競技においては「疲れない」ことが重要だからだ。
つまり筋肉を強化する過程で「疲れやすい」「非効率」な身体になってしまう可能性がるということだ。
そのため、ウェイトトレーニングの成果が試合におけるパフォーマンスアップに直結しない可能性がある。
以上のことは競技選手の頃から認識して履いたのだが、地味な練習よりトレーニングのほうが成果がわかりやすく(トレーニングにおける成果という意味)、不安がつきまとう競技選手にとっては精神安定効果の方が続けていた理由かもしれない。
最近のウェイトトレーニングで重量アップや筋力アップの成果は確実に現れていた。
だが、それは武術身体操作を困難にしてしまっていた。
いままでできていた技ができなくなってしまったのだ。
その詳細はここでは書かないが、精神的ショックは大きいものだった。
仕事が忙しくなったこともあったのだが、ウェイトトレーニングを止めてしまったのだ。
現在は少し変化をつけたトレーニングをしているが、そのせいかできなくなってしまった技が少しずつできるようになってきている。
以上の例は体力的なことだが、このパターンはそれに限らない。
トレーニングが目標とズレてしまうことは良くあることだ。
また、トレーニングそのものが楽しくなってしまうことも良くある。
だが、トレーニングはあくまでも目標を達成するための一つの手段でしかない。
常に目標と現状のギャップを分析し、そのギャップを埋めるためのトレーニングをしなければ意味がない。
トレーニングは楽しい。
だが、トレーニングは手段の一つである。
目標達成に必要なトレーニングを考察し、常にチェックする必要がある。
是非、真に必要なトレーニングを考えて実践してもらいたい。
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