「才能とは何か?」

No.20

「才能とは何か?」

 

才能と聞いて思い浮かべることはどんなことであろうか?

 

「彼には才能がある」

 

「私には才能がない」

 

「才能とは神に与えられたもの」

 

そんなふうに思っているのではないか。

 

英語で才能のことをgiftという。

まさに神から授かったものという意味合いだ。

 

確かに学校の成績が抜群に良かったり、音楽的才能があったりする人を見ると点から与えられたものと思うことは多い。

 

イギリスで音楽的才能を発見するという調査がされたことがあった。

 

結論から言うと

「生まれつきの才能というものを発見することはできなかった」

という。

 

早熟で成果を出し始めている人を見ると

「才能」

というものを感じてしまうが、実際はそうではないというのだ。

 

確かに早い段階で人より抜きん出た結果を出す人たちは存在する。

 

先程のイギリスの調査でも、音楽的に優れた才能を発揮する子どもたちを大勢調査したが、生まれつきの才能というわけではなかった。

 

共通して言えることは、

「小さい頃から音楽に接しており、練習時間が半端なく多い」

ということであったという。

 

そして、累計練習時間がその成果に正比例しているという。

 

「1万時間の法則」

という法則が話題になったことがあった。

 

一流になる人は平均的に1万時間程度の練習時間があったということである。

 

1日3時間の練習を毎日続けたとすると9年間で1万時間

 

1日9時間の練習を毎日続けたならば3年間で1万時間

 

小学生や中学生あたりで早くも素晴らしいパフォーマンスを発揮する子どもたちが存在するが、実際は小さい頃からの練習量の成果だと言われている。

 

典型的なのが

親が音楽やスポーツを小さい頃からやらせていたり、

やる前から見ていたりということがある。

 

 

3歳で練習を始めたとして、1日3時間練習をすれば12歳で1万時間に達する。

少しやったぐらいの子がかなう訳はない。

 

とはいっても、これを読んでいるであろう人たちは1万時間なんて気が遠くなる数字だとしか思えないのではないかと思う。

 

気分転換に少し私の体験談を書いてみようと思う。

 

いままで意識していたわけではなかったが

「100時間の法則」

というものがあるとなんとなく分かっていた。

 

私は何でも興味を惹かれ、まあまあ行動力もある方なのですぐにそれを始めることが多い。

そして、とりつかれたようにそれに関する情報を集め、練習に没頭する。

2~3ヶ月もすると普通の人とは比べ物にならないレベルに到達することができる。

ここまでに費やした時間が100時間程度なのだ。

もちろん普通の人のレベルから歩いていどのレベルになっただけで、玄人のレベルには程遠い。

スポーツのような身体を使うものならもっと時間がかかるだろう。

 

私はこの方法でいろいろなスキルを獲得してきた。

だが、その後が問題だった。

 

そこでパタッと止めてしまうものが多かったのだ。

 

昔は

「自分はなんて飽きっぽいんだろう」

「なんで継続力がないんだろう」

と悩んだりもした。

 

だが、

いくつかのものは意識するでもなく長く続いていた。

長く続いたものはやはり、それなりの成果を出すことができた。

 

今はわかる。

「100時間までの練習は楽しい」のだ。

初心者だから、練習すればいろいろなことができるようになる。

自分にどんどん新たなスキルが身についていく。

ゲームをプレイしているような楽しさがある。

だが、100時間を超えると様相は変わってくる。

簡単に身につくようなスキルはもう無くなってしまっている。

練習もコツコツ練習が主体になってくる。

ゲームなら単調なレベル上げのようなものだ。

 

そこから先に進めたもの。

私にとってそれは格闘技であった。

 

体格も体力も特に人より秀でたものはなかったが、長く続いた分だけ上達したように思う。

気がつけば先輩は少なくなり、同期はやめていき、試合でもそれなりに成果を出せるようになっていった。

 コツコツ練習が全く苦でなかった。

毎日毎日同じ練習メニューを繰り返す日々だったが、自ら課した課題を考えながらの練習は飽きることがなく、数年単位で取り組むような課題にも挑戦していた。

なりたい自分をイメージすればやることは山ほどあり、飽きる暇はなかった。

10000時間に到達してはいないだろうが、時間を掛けたぶんの成果はあった。

周りの選手も同じだと思う。

正直あまりセンスないなと思うような後輩も10年近くもやっているとかなりの強さになっていた。

 

何かを始めた最初のうちは面白い。

当然だ。どんどん自分が成長するのが分かる。

そこからコツコツ期間に移行した時に続けられるかがカギだ。

そのためには最初の急成長とは違う、薄紙を張り合わせていくような地味な練習とそれが積み上がっていく喜びを感じることが必要だ。

ぜひ、その喜びを見つけて一流になってもらいたい。

 

 

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